新電力についての営業電話も増えてきているので、新電力について気になっている方も多いはずです。
今回は、その新電力の中でも注目されている「FIT電気」についてご紹介いたします。
FIT電気とは?
「FIT電気」とは、Feed-in Tariffs(フィードインタリフ)、FIT制度によって買い取られた再生可能エネルギーのことです。つまり、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生可能エネルギー電源を用いて発電された固定価格買取制度(FIT)により、電気事業者に買い取られた電気のことです。
この「FIT電気」の一番のポイントが「再生可能エネルギー」なのです。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーとは、石油や石炭などの有限資源とは違い、太陽光や風力、地熱といった常に存在するエネルギーのことです。これは、繰り返し利用ができるエネルギー源です。
また再生可能エネルギーは、地球温暖化の原因にもなっている有限資源の化石燃料による大量の二酸化炭素発生とは違い、発電時にほとんど二酸化炭素を出さず地球にも優しいエネルギーです。
地球温暖化の防止の点についても注目されているエネルギーなのです。
FIT制度の仕組み
FIT制度とは、固定価格買取制度のことで、皆さんはあまり聞いたことがないかもしれません。再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間は固定価格で買い取らなければいけないという制度です。ドイツやスペインではすでに導入されており、日本では2012年7月1日に制定されましたが、3つの問題点が出てきました。
・再エネ賦課金による国民への負担の増加
・太陽が出ているときにしか発電ができない太陽光ばかり導入されている
・売電を行う権利を確保しているのにも関わらず、設置しない案件が増加した
これらの問題を解決するため、2017年4月より改定されています。
電力会社が電気を買い取る際にかかるコストの一部を、電気を使用している各家庭から再生可能エネルギー発電促進賦課金として回収し、まだコストがかかっている再生可能エネルギーの普及を支えています。
2020年の現在では、再生可能エネルギーは,太陽光発電(10kW未満)は10年、地熱は15年間、それ以外の再生可能エネルギーは20年、高い価格のままで買い取ることが決められています。
再生可能エネルギーの事業者からすると、長期的に収益を確保できるため、投資の判断がしやすいというメリットがあるのです。
FIT電気に環境価値がないってホント?
近年地球温暖化の防止ということで、電気をつかうときに二酸化炭素の排出量の少ないものを選ぶ取り組みが始まっています。皆さんの家庭でも、なるべく二酸化炭素を出さない電気を利用したいと思われている方も多いはずです。そこで、FIT電気のような二酸化炭素の排出量が少ない電気は、「環境価値」があるはずなのです。
FIT電気というのは、再生可能エネルギー源で発電された電力ですので、二酸化炭素を出さないエコな電気というイメージが持たれています。
しかし、このFIT電気には環境価値がない。と言われているのです。一体それはなぜでしょうか?
それは、FIT電気の買い取りコストは、国民の皆さんが負担している「賦課金」によってまかなわれているため、その環境価値は、「賦課金」の負担額に応じ、すべての需要家に配分されるしくみとなっているからなのです。
まとめ
今記事では、「FIT電気」について解説いたしました。
「FIT電気」とは、固定価格買取制度(FIT)で電力会社に買い取られた再生可能エネルギーを普及させるためのエネルギーです。この制度によって、電力会社は再生可能エネルギーを購入しなければならなくなりました。再生可能エネルギーは買取価格が高額に設定されているため、電気料金への上乗せ額が高くなってしまいます。
また、電力の切り替えをする際に、「FIT電気」と「再生可能エネルギー」の違いに注目しながら選んでみてもよいかもしれません。