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エスカレーションを仕組化して効率をあげる方法

エスカレーションを仕組化して効率をあげる方法

コールセンターのおいて、無理な要求をしてくるお客様にオペレーターが対応しきれない場合は少なからずあるでしょう。そのようなときは、責任者へ対応を任せる「エスカレーション」が効果的です。

今回は、「エスカレーション」とは何なのか、詳しくご紹介していきます。効率的にエスカレーションする方法などもご紹介しているのでぜひ、参考にしてみてください。

コールセンターにおける「エスカレーション」とは

まず、コールセンターにおける「エスカレーション」が具体的にどのようなものなのかご紹介していきます。

オペレターの対応業務を責任者へ転送すること

コールセンターにおけるエスカレーションとは、一時的対応ができない電話をSV(スーパーバイザー)や責任者に交代して対応することです。

オペレーターのレベルによって対応できる範囲は異なります。商品に関する質問を受けた新人オペレーターが対応できない時は、商品知識が豊富な先輩オペレーターが代わりに対応します。

また、クレーム対応はエスカレーションすることが多いです。クレーム対応の責任者を配置する場合は、一般的なオペレーターよりも精神的負担が大きいので、責任者は待遇面で優遇されます。

さまざまなタイミングで発生する

エスカレーションが発生するタイミングは1つではありません。

代表的な例は、新人オペレーターを先輩やSVがフォローする場合です。このようなこと以外にも、値引き交渉などオペレーターの権限では対応できない場合や、クレーム・トラブルで責任者が呼びだされる場合などがあります。

コールセンターのエスカレーションをスムーズに行う方法

エスカレーションはある程度お客様を待たせることになるため、早めの対応が求められます。では、エスカレーションを効率的に行うためにはどのようにすればいいのかご紹介していきます。

エスカレーションフローの整備

「とりあえずSVにバトンを渡す」という体制ではSVに負担がかかってしまいます。効率的にエスカレーションするには、「どのようなタイミングで、誰に、どのような手段で」というフローを確実にするべきなのです。

この時、緊急性のある案件と一般的な案件に分け、フローを整備しておくと、オペレーターが混乱することなくスムーズにエスカレーションができます。

また、実行可能なフローであることが重要です。実際にエスカレーションが発生したとき転送先が忙しくてつながらない、といった事態も起こる場合があるからです。

「SVが不在の場合はA部署の○○さんへつなぐ」

というように関連部署と連携しておくといいです。

コールセンターシステムの活用

コールセンターシステムとは、着信をオペレーターに振り分けたり、自動音声などを用いて電話対応業務を効率化するシステムの総称です。

コールセンターシステムを構成する内容の1つとしてCTI(ComputerTelephonylntegration)があり、コンピューターと電話を連動させて、電話しながらお客様情報の閲覧や入力が可能です。

コールセンターシステムには、エスカレーションを効率的に行う機能を積み上げたものが多いです。この機能を使うことで、エスカレーション先(転送先)を一覧で表示して、対応可能なのかを確認できます。

また、電話を転送するときは、お客様の情報やサポート履歴を共有でき、対応時間が短縮に役立つのです。

コールセンターのエスカレーションを削減する方法

エスカレーションの件数が多いと、その対応をするSVや責任者の負担が大きくなるので、少なくする必要があります。では、どのようにしてエスカレーションを削減すればいいのかご紹介していきます。

オペレーターの権限を増やす

オペレーターの権限が増えると、必ずエスカレーションの件数は減ります。例えば、物事をオペレーターの判断で出来るようになれば、エスカレーションしないで処理できるでしょう。

そのためには、オペレーターが交渉術やリーダーシップを身につける必要があります。オペレーター教育、研修を強化して、技術の向上をさせましょう。研修後は、お客様満足度をもとに評価することによって、オペレーターの応対品質がどの程度成長したのかが把握できます。

オペレーターの対応範囲が広がるとモチベーションが上がるばかりではなく、SVや責任者が専念すべき業務に時間を割けることができます。そうすることによって、生産性が向上します。

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コールセンターの品質をあげるオペレーター教育とはオペレーター教育は、コールセンター自体の品質を上げるためにも一番重要なことになります。では、どのようにしたらより良いオペレーター教育ができるのでしょうか・・・オペレーターごとにスキルの差が出ない一貫性のある教育方法をご紹介します!...

オペレーター向けFAQを整備する

エスカレーションの件数を減らすためには、オペレーターが自力で問題を解決できなければいけません。コールセンターのお問い合わせは、ある程度内容が決まっているので、「よくある質問(FAQ)」をつくるといいでしょう。

新しいお問い合わせのたびに登録していれば、適切な回答や案内文をより集めることができます。例えば、1人が1日1つのFAQを登録すれば、100人稼働しているセンターだと1カ月20日の稼働だと2000ものFAQができます。

日々、お客様と接しているオペレーターが作成したFAQは現場で活用しやすいのです。しかし、FAQを作成しただけでは意味がありません。お問合せがあったときに素早く検索できるように整備しましょう。

適切なエスカレーションで業務効率を向上

コールセンターのエスカレーションは、オペレーターが対応できない問題点をSVや責任者に転送することです。

お客様を待たせないように、エスカレーションのフローを整備し、コールセンターシステムを適用すると効率化になるでしょう。また、エスカレーションの件数が多いとSVや責任者に負担がかかってしまうので、FAQを整備しオペレーターの権限を増やすといいです。

適切にエスカレーションの仕組みを構築することで、オペレーターの品質と業務効率の向上を実現することが可能です。